○余市ダム管理規則
平成30年9月28日
規則第26号
(趣旨)
第1条 この規則は、余市ダム管理条例(平成30年余市町条例第20号。以下「条例」という。)の施行について別に定めのあるものを除くほか、余市ダム(以下「ダム」という。)及び余市貯水池(以下「貯水池」という。)の管理に関し必要な事項を定めるものとする。
(管理主任技術者)
第2条 町長は、河川法(昭和39年法律第167号。以下「法」という。)第50条第1項の規定に準じ、管理主任技術者1人を置くものとする。
2 前項の管理主任技術者は、ダム及び貯水池の管理に関する事務を誠実に行わなければならない。
(ダム及び貯水池の諸元等)
第3条 ダム及び貯水池の諸元その他これに類するダム及び貯水池の管理上参考となるべき事項は、次のとおりとする。
(1) ダム
ア 高さ 36.80メートル
イ 堤頂の標高 192.00メートル
ウ 越流頂の標高 187.60メートル
エ 越流堤長 50.00メートル
オ 非常放流管ゲート
(ア) 規模及び数
A 主ゲート 内径0.50メートルのもの 1門
B 副ゲート 内径0.50メートルのもの 1門
(イ) 開閉に係る開度変化量
A 主ゲート 1分間につき0.06メートル
B 副ゲート 全開―全閉1194回転(手動)
カ 取水管ゲート
(ア) 規模及び数
A 主ゲート 内径0.40メートルのもの 1門
B 副ゲート 内径0.40メートルのもの 1門
(イ) 開閉に係る開度変化率又は開度変化量
A 主ゲート 1分間につき67パーセント
B 副ゲート 全開―全閉1000回転(手動)
キ 放流管ゲート
(ア) 規模及び数
A 主ゲート 内径0.20メートルのもの 1門
B 副ゲート 内径0.20メートルのもの 1門
(イ) 開閉に係る開度変化量
A 主ゲート 1分間につき0.05メートル
B 副ゲート 全開―全閉126回転(手動)
ク 設計洪水流量 毎秒230立方メートル
(2) 貯水池
ア 直接集水地域の面積 9.6平方キロメートル
イ 湛(たん)水区域の面積 0.078平方キロメートル
ウ 最大背水距離 0.65キロメートル
エ 設計洪水位 標高189.26メートル(水位計による表示189.26メートル)
オ 常時満水位 標高187.60メートル(水位計による表示187.60メートル)
カ 最低水位 標高176.10メートル(水位計による表示176.10メートル)
キ 有効貯水容量 620,000立方メートル
(3) 最大取水量等
ア 最大取水量 毎秒0.266立方メートル
イ 最大放流量 毎秒0.123立方メートル
(貯留期間及びかんがい期間)
第4条 貯留期間及びかんがい期間は、次のとおりとする。
(1) 貯留期間 通年
(2) かんがい期間 通年
(洪水及び洪水時)
第5条 この規則において「洪水」とは、貯水池への流入量(以下「流入量」という。)が毎秒26立方メートル以上であることをいい、「洪水時」とは、洪水が発生している時をいう。
(洪水警戒時)
第6条 この規則において「洪水警戒時」とは、余市町を対象として大雨警報(特別警報を含む。)が発せられ、その他洪水が発生するおそれが大きいと認められるに至った時から、これらの警報が解除され、又は切り替えられ、かつ、洪水の発生するおそれが少ないと認められる時までの間で洪水時を除く間をいう。
(貯水位の算定方法)
第7条 貯水池の水位(以下「貯水位」という。)は、ダムの取水施設(斜樋(ひ))に取り付けられた水位計の読みに基づいて算定するものとする。
(流入量の算定方法)
第8条 流入量は、これを算定すべき時を含む一定の時間における貯水池の貯水量の増分と当該一定の時間における放流量、洪水吐からの越流量、取水量及び非常放流量との合算量を当該一定の時間で除して算定するものとする。
(放流の開始及び放流量の増減の方法)
第9条 非常放流管からの放流及び放流管からの放流は、下流の水位の急激な変動を生じないように別図第2に定めるところにより行わなければならない。
(非常放流管ゲートの操作)
第10条 非常放流管ゲートは、次の各号のいずれかに該当する場合に限り、操作することができる。
(1) 貯留を開始し、及び終了するとき。
(2) ダムその他貯水池内の施設の点検又は整備のため必要があるとき。
(3) その他やむを得ない必要があるとき。
(取水管ゲートの操作)
第11条 取水管ゲートは、次の各号のいずれかに該当する場合に限り、操作することができる。
(1) かんがい期間において取水する必要があるとき。
(放流管ゲートの操作)
第12条 放流管ゲートは、次の各号のいずれかに該当する場合に限り、操作することができる。
(1) かんがい期間において放流する必要があるとき。
(2) 次条の規定により貯留制限する必要があるとき。
放流期間 | 5月1日から8月31日まで | 9月1日から翌年4月30日まで |
貯留制限流量 | 毎秒0.123立方メートル | 毎秒0.050立方メートル |
取水期間 | 5月1日から9月30日まで | 10月1日から翌年4月30日まで |
計画取水量 | 毎秒0.266立方メートル | 毎秒0.029立方メートル |
(ダム放流等の際の関係機関に対する通知)
第15条 法第48条の規定の例に準じて行う関係機関に対する通知は、ダムの洪水吐からの越流、非常放流管からの放流又は放流管からの放流(以下「ダム放流」という。)により、下流の水位が急激に上昇するおそれがある場合に、ダム放流開始(ダム放流の中途におけるダム放流量の著しい増加を含む。)の少なくとも1時間前に、別表第1に定めるところにより行うものとする。
2 前項の通知をするときは、ダム放流の日時のほか、ダム放流量の見込みを示して行うものとする。
(放流等の際の一般に周知させるための措置)
第16条 法第48条の規定による一般に周知させるため必要な措置は、ダム地点から余市滝の沢川合流地点までのヌッチ川の区間についてとるものとする。
(1) ダム地点に設置されたサイレンによる警告 ダム放流の開始時の約15分前から約15分間
(2) ダム地点以外の地点に設置されたサイレンによる警告 ダム放流により当該地点におけるヌッチ川の水位の上昇が開始されると認められる時の約15分前から約15分間
(3) 警報車の拡声機による警告 前項の区間に含まれる各地点について、ダム放流により当該地点におけるヌッチ川の水位の上昇が開始されると認められる時の約15分前
(1) 操作の理由
(2) 操作したゲートの名称並びに操作を始めた時刻及びこれを終えた時刻並びにこれを終えた時におけるその開度
(3) ゲートの操作を始めた時及びこれを終えた時における貯水位、流入量、放流量、取水量、非常放流量及び洪水吐からの越流量
(4) ダム放流に係る最大ダム放流量が生じた時刻及びその最大ダム放流量
(5) 取水量又は非常放流量の変更(取水又は非常放流の開始及び終了を含む。)があったときは、その時刻並びにその直後における取水量及び非常放流量
2 洪水時に洪水吐から越流している場合においては、次に掲げる事項を記録しておかなければならない。
(1) 毎時の貯水位及び越流量
(2) 最大越流量が生じた時刻及び最大越流量
(3) 前項第6号に定める事項
(観測及び測定)
第18条 ダムの管理に必要な事項については、別表第3に定めるところにより観測又は測定をしなければならない。
3 前2項の規定による観測及び測定の結果は、記録しておかなければならない。
(点検及び整備)
第19条 ダム及び貯水池並びにこれらの管理上必要な機械、器具及び資材は、定期に、及び必要により、その点検及び整備を行うことにより、常時良好な状態に維持しなければならない。この場合において、洪水又は暴風雨、地震その他これらに類する異常な現象でその影響がダム又は貯水池に及ぶものが発生したときは、その発生後速やかにダム及び貯水池の点検(貯水池付近の土地の形状の変化の観測及びダムに係る地山からにじみ出る水の量と貯水位との関係の検討を含む。)を行い、ダム又は貯水池に関する異常な状態が早期に発見されるようにしなければならない。
(異常かつ重大な状態に関する報告)
第21条 ダム又は貯水池に関する異常かつ重大な状態が発見されたときは、直ちに別表第1の2項に記載する相手に対しその旨を報告しなければならない。
(洪水警戒時における措置)
第22条 洪水警戒時においては、次に掲げる措置をとらなければならない。
(1) 洪水時においては、ダム及び貯水池を適切に管理することができる要員を確保すること。
(3) 気象官署が行う気象の観測の成果を的確かつ迅速に収集すること。
(4) ダム管理に関する記録を作成すること。
(5) その他ダム及び貯水池の管理上必要な措置
(異例の措置)
第24条 管理者はこの規則に定めのない事項を処理しようとするときは、あらかじめ町長の承認を得なければならない。ただし、非常事態の発生により緊急に措置を必要とする場合は、この限りでない。
2 前項のただし書の規定により処理を行った場合は、速やかに町長に報告し、その後の措置について指示を受けなければならない。
(委任)
第25条 この規則に定めるもののほか、規則の施行に関し必要な事項は、町長が別に定める。
附則
この規則は、平成30年9月28日から施行する。
附則(令和5年3月24日規則第18号)
この規則は、令和5年4月1日から施行する。
別表第1(第15条、第20条―第23条関係)
相手方 | 通知又は通報の方法 | 摘要 | ||
名称 | 担当機関の名称 | |||
1 | 北海道知事 | 小樽建設管理部余市出張所 | 文書又は電話等 | |
余市町長 | 余市町役場建設水道部建設課 余市町役場総務部総務課 | |||
北海道余市警察署長 | 地域課 | |||
北海道余市警察署長 | 沢町駐在所 | |||
2 | 北海道開発局小樽開発建設部長 | 小樽開発建設部公物管理課 | 文書又は電話等 |
別表第2(第16条、第22条関係)
サイレンの名称 | サイレンの位置 | サイレンの構造又は能力 | 摘要 |
第1号サイレン | 余市町豊丘町 (ダム管理所屋上) | 200V、3相、2.2KW | |
第2号サイレン | 余市町豊丘町 (幸住学園付近) | 200V、3相、2.2KW | |
第3号サイレン | 余市町豊丘町 (豊丘市街地) | 200V、3相、2.2KW |
別表第3(第18条、第22条関係)
観測又は測定をすべき事項 | 観測又は測定をすべき回数 | 観測施設 | 摘要 | |||
名称 | 位置 | 構造又は能力 | ||||
貯水位及び流入量 | 毎日1回 | 余市貯水池水位観測所 | 余市郡余市町豊丘1884番地(余市ダム) | 自記水位計 | 流入量は、第8条の規定に基づき算定する。 | |
降水量 | 余市ダム雨量計観測所 | 同上 | 自記雨量計 | |||
気象 | 気候 | |||||
気温 | ||||||
水象 | 取水量 | |||||
放流量 | ||||||
非常放流量 | ||||||
越流量 | ||||||
ダムの状況 | 変形 | 少なくとも毎四半期1回 | ||||
漏水量 | 少なくとも毎月3回 | |||||
貯水池内及びその末端付近の堆砂の状況 | 少なくとも毎年1回 |
別表第4(第20条関係)
Ⅰ) 1次点検(地震発生直後)
a) 地震発生時間と気象庁震度階
b) 目視によるダム状況
Ⅱ) 2次点検(1次点検終了後)
a) ダム本体
(ア) 漏水の有無及び漏水量の変化
(イ) ダム天端のひび割れ
(ウ) 上流斜面ブロック保護工の変化
(エ) その他
b) 取付部周辺地山及び貯水池周辺地山
(ア) 漏水
(イ) 亀裂
(ウ) 崩落
(エ) 地すべり
別表第5(第23条関係)
ダム諸元
ダム名 余市ダム
流域面積 | 9.6Km2 | 貯水池面積 | 0.078Km2 |
総貯水量 | 800千m3 | 有効貯水量 | 620千m3 |
ダム天端標高 | 192.00m | ダム高 | 36.80m |
設計洪水流量 | 189.26m | 常時満水位 | 187.60m |
設計洪水流量 | 230m3/S | 計画時間雨量 | 88.0mm/h |
水文記録等
年 月 日
発信者
受信者
時間最大雨量 | ダム最大貯水量 | 最大流入量 | 最大越流量 | 累計雨量 | 特記事項 | |
時間 | 日時 | 日時 | 日時 | 日時 | 日時~日時 | |
数値 | mm/h | m3 | m3/S | m3/S | mm |
別図第1(第8条関係)
別図第2(第9条関係)