余市町でおこったこんな話 その40「余市町公報」
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余市町最初の広報紙が昭和22(1947)年6月7日に発行されました。最初の名称は『余市町公報』でしたがその後『区会だより』などと名称を変えながら60年ほど続いていることになります。現在の『広報よいち』は毎月はじめに発行され、町内を中心に約9,000部が配布されていますが、最初の『余市町公報』は、全戸配達の準備が整わなかったために、北海道新聞の配達と一緒に配られました。
公報発行のきっかけは、戦後間もない昭和22年5月、町内会部落会が廃止され、これに替わる組織を作ることや回覧板をまわすことが禁止されたからで、戦後の食料難の時代、食料と燃料の配給や伝達事項などの連絡手段を確保するための発行でした。
記念すべき第1号はB5版の表裏1枚、発行人は余市町長坂本角太郎氏、発行日は毎週水曜日と土曜日の週2回でした。
最初の記事は町長による発刊の言葉「公報発刊について」が掲載され、公報発行にいたった経緯がわかります。町長からの「町は一家にたとえれば家であり町民はその家族でありますが故に国家非常の今日、隣保互いに相睦み相はげましあい物の不足は工夫」しあって苦難を乗り越えようという決意が述べられています。
続いて8か条にわたる余市町公報発行規定が掲載されています。購読料が町議会の議決によって決められ、町内の産業、文化、経済に関することに限って有料での広告の掲載が認められていたようです。
裏面には不動産税に関しての税務係からの連絡があり、新築、増改築した家屋で届出を済ませていない方へ向けて、申請書作成の代行をしてくれる推薦業者が並んでいます。
配給物資についてはふたつの記事が見えます。ひとつはタバコの代用品だったイタドリ(ドンガイ)採取についてで、この年もタバコの原料が非常に不足している状況で、「愛煙家の皆様に少しでも多く配給するべく~一枚でも多く」採取してほしい旨のお願いが掲載されました。
もうひとつは家庭に配給される3か月分の酒類についてです。この月の余市町割当ては「ブドー酒」で、「成年男子ひとり」8合(1合は約180ミリリットル)、「成年男子のいない女世帯」4合の割合は決まっているものの、現品はまだ入荷していませんでしたが、8月9日の配給日には町民手帳、印鑑、容器を持って配給店で購入するようにとのことでした。
戦後、食糧難の時代のたいへんな世相が、日に焼けて褐色になった公報の紙面から伝わります。
写真:『余市町公報』第1号
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