「おいしい水」って?
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一般的に水がおいしいと感じるのは、おいしくする成分(ミネラル、炭酸ガスなど)が適度に含まれているからです。この含有成分に加え大切な要因が水温です。
不純物のまったく入っていない水が、おいしい水かというと必ずしもそうとは言えません。適当な物質が適度に溶け込んでいる水が、おいしい水と言われる要件なのです。
同じ水であっても飲む人の好みや体調、気象条件によっても感じ方が変わり、容器や周囲の雰囲気などによっても微妙に左右されたりもします。
「おいしい水」の水質要件については、昭和60年(1985年)に厚生省(現厚生労働省)の諮問機関である「おいしい水研究会」が「味」や「におい」などに関する項目についてまとめています。
この「おいしい水研究会」が設立された経緯には、昭和40年代の高度経済成長により、汚染された産業排水や生活排水が水源に流れ込んだ結果、水源の汚濁化が進み、それにともなって水道水がまずくなった、という背景があったからです。
それでは、おいしい水研究会から発表されております、おいしい水の要件と余市町の水道水を比較してみましょう。
「おいしい水の要件」の内容や味の特徴など
おいしい水の要件には、7項目が挙げられています。昨年は9月に実施しており、今年も同時期の9月に実施しました。それでは昨年の結果と比較してみましょう。
水質項目 | おいしい水の要件※1 | 水質管理目標値 | 余市町の水道水 ※2 | |
令和6年9月採水 | 令和5年9月採水 | |||
蒸発残留物 | 30~200mg/l | 30~200mg/l | 64mg/l | 69mg/l |
カルシウム、マグネシウム等硬度 | 10~100mg/l | 10~100mg/l | 8.1mg/l | 23.4mg/l |
遊離炭酸 | 3~30mg/l | 20mg/l以下 | 2.6mg/l | 2.7mg/l |
過マンガン酸カリウム消費量 | 3mg/l以下 | 3mg/l以下 | 2.3mg/l | 2.4mg/l |
臭気強度 | 3以下 | 3以下 | <1 |
<1 |
残留塩素 | 0.4mg/l以下 | 1.0mg/l以下 | 0.3mg/l | 0.3mg/l |
水温 | 最高20度以下 | - | 20.6 | 22.4 |
※水道法により「給水栓(蛇口)における水が残留塩素濃度を0.1mg/l以上保持するよう塩素消毒をすること」と定められていますので、管末給水栓等においては、その濃度を少し高めに設定しています。
※1 おいしい水の要件は水道法による水質基準値ではありません。
※2 余市川浄水場から送られている給水栓(蛇口)での値になります。
結果についてですが、遊離炭酸とカルシウム、マグネシウム等硬度が若干基準値を下回りました。特にカルシウム、マグネシウム等硬度については昨年よりも数値に大きな変化が見られます。水温についても昨年より下回りましたがその他の項目については数値内におさまっております。
蒸発残留物
水を沸騰させて蒸発した後に残る物質で、成分は主にミネラル分であり、量が多いと苦味や渋みが増し、適度に含まれるとコクのあるまろやかな味になります。
硬度
ミネラルの中で量的に多い、カルシウム、マグネシウムの量を表し、硬度の低い水は「軟水」といい、味にクセがなく、一方で硬度の高い水は「硬水」といい、しつこい味を感じるほか、人によっては好き嫌いが分かれることが多い。カルシウムに比べてマグネシウムが多い水は苦味が増します。
遊離炭酸
水に溶け込んでいる炭酸ガスの量のことで、湧き水や地下水などに多く含まれます。適度に含まれていると水に新鮮でさわやかな味を与えますが、多く含まれすぎると刺激が強くなり、まろやかさが失われ清涼感が損なわれます。
過マンガン酸カリウム消費量
水に含まれる有機物の量を示し、多く含まれるとかび臭などの異臭味を与えたり渋味を感じます。また消毒のために多くの塩素を必要としますので水の味を損ないます。
臭気強度
水についている「におい」の強さを表します。
水源の状況により、水に不快なにおいがついているとまずく感じたりします。
残留塩素
水道水中に残留している消毒用の塩素の量を表しています。
水道水の安全性や衛生上、法律により蛇口で0.1mg/l以上残留していなければならないとされていますが、残留塩素の濃度が高すぎるとカルキ臭の原因となったり、水の味を損ないます。
水温
夏に水温が高くなると、あまりおいしいとは感じられません。冷やすことで生理的においしく感じられます。
水道水をよりおいしく飲める一工夫
水道水には塩素を入れていますが、細菌の繁殖を抑える効果があり、安全にお客さまにお届けするために法令で義務付けられています。
人によってはにおいや味が気になることがありますが、ちょっとした一工夫で水道水本来のおいしさを味わうことができますので、試してみてください。
水を冷やす
おいしい水の温度は、一般的に10℃から15℃くらいと言われています。冷蔵庫で一晩冷やせば、塩素臭も和らぎ、よりおいしく飲めるようになります。また、氷で冷やすだけでも、常温のものよりもおいしく飲むことができます。
沸騰させる
蓋をしないで水を5分以上沸騰させた後、冷蔵庫で冷やします。沸騰させることで塩素臭がほとんどなくなるので、よりおいしく飲めるようになります。なお、沸騰させた水道水は、塩素の効果がなくなり、細菌等が繁殖しやすくなるので、なるべく早く飲み切るようにしてください。
香りづけ
レモン汁や果実酢などを数滴落とすだけで、塩素臭を和らげることができ、さらに冷やすことでおいしく飲むことができます。
炭を入れる
備長炭や竹炭を入れることにより、カルキ臭の原因である塩素を除去することができたり、炭のミネラル分も溶け込んでまろやかな味になる効果もあります。
この記事に関するお問い合わせ先
余市川浄水場(建設水道部水道課浄水係)
〒046-0012 北海道余市郡余市町山田町654番地1
電話:0135-23-4731(直通)FAX:0135-21-6043