○余市町男女共同参画推進条例
平成19年2月21日
条例第2号
(目的)
第1条 この条例は、男女共同参画の推進に関し、基本理念を定め、町、町民及び事業者の責務を明らかにするとともに、町の施策の基本となる事項を定めることにより、男女共同参画を総合的かつ計画的に推進し、もって男女共同参画社会を実現することを目的とする。
(1) 男女共同参画 男女が、性別にかかわりなく個人として尊重され、社会の対等な構成員として、自らの意思によって職場、学校、地域、家庭その他のあらゆる分野(以下「社会のあらゆる分野」という。)における活動に参画する機会が確保され、もって男女が均等に政治的、経済的、社会的及び文化的利益を享受することができ、かつ、共に責任を担うことをいう。
(2) 積極的改善措置 前号に規定する機会に係る男女間の格差を改善するため必要な範囲内において、男女のいずれか一方に対し、当該機会を積極的に提供することをいう。
(3) セクシュアル・ハラスメント 他の者に対し、その意に反して性的な言動を行うことにより、当該者の就業等における生活環境を害して不快な思いをさせること又は性的な言動を受けた者の対応により当該者に不利益を与えることをいう。
(基本理念)
第3条 男女共同参画は、次に掲げる基本理念にのっとり、推進されなければならない。
(1) 男女の個人としての尊厳が重んぜられること、男女が直接的にも間接的にも性別による差別的取扱いを受けないこと、男女が個人として性別にとらわれることなく能力を発揮できる機会が確保されることその他の男女の人権が尊重されること。
(2) 社会における制度又は慣行が、性別による固定的な役割分担等を反映して、男女の社会における活動の選択に対して中立でない影響を及ぼすことにより、男女共同参画社会の形成を阻害する要因となるおそれがあることにかんがみ、社会における活動の選択に対して及ぼす影響をできる限り中立なものとするように配慮しなければならないこと。
(3) 男女が、社会の対等な構成員として、町における政策及び民間の団体における方針の立案及び決定に共同して参画する機会が確保されること。
(4) 家族を構成する男女が、相互の協力と社会の支援の下、子の養育、家族の介護その他の家庭生活における共同責任を担い、かつ、当該活動以外の社会のあらゆる分野において活動を行うことができるようにすること。
(5) 男女が互いの性に関する理解を深め、性に関する個人の意思が尊重されるとともに、女性の性と妊娠・出産に関する健康と権利が生涯にわたり尊重されること。
(6) 町は、男女共同参画の推進が国際社会における取組と密接な関係があることを考慮し、男女共同参画の推進に当たっては、国際社会における取組を踏まえながら行われること。
(町の責務)
第4条 町は、前条に定める基本理念(以下「基本理念」という。)にのっとり、男女共同参画の推進に関する施策(積極的改善措置を含む。以下同じ。)を総合的に策定し、及び実施しなければならない。
2 町は、男女共同参画の推進に当たっては、町民、事業者、国及び他の地方公共団体との密接な連携を図らなければならない。
(町民の責務)
第5条 町民は、基本理念にのっとり、社会のあらゆる分野において、男女共同参画の推進に寄与するよう努めなければならない。
2 町民は、町が実施する男女共同参画の推進に関する施策に協力するよう努めなければならない。
(事業者の責務)
第6条 事業者は、事業活動を行うに当たっては、基本理念にのっとり、男女共同参画の推進に自ら積極的に取り組むとともに、町が実施する男女共同参画の推進に関する施策に協力するよう努めなければならない。
(性別による権利侵害の禁止)
第7条 何人も、社会のあらゆる分野において、直接的にも間接的にも性別を理由とする差別的取り扱いを行ってはならない。
2 何人も、社会のあらゆる分野において、セクシュアル・ハラスメントを行ってはならない。
3 何人も、社会のあらゆる分野において、配偶者等に身体的又は精神的な苦痛を与える暴力的行為その他の男女共同参画を阻害する暴力的行為を行ってはならない。
(男女共同参画計画)
第8条 町長は、男女共同参画の推進に関する施策を総合的かつ計画的に推進するための基本的な計画(以下「男女共同参画計画」という。)を策定しなければならない。
2 町長は、男女共同参画計画を策定するに当たっては、余市町男女共同参画審議会の意見を聞かなければならない。
3 町長は、男女共同参画計画を策定するに当たっては、町民、事業者及び民間の団体(以下「町民等」という。)の意見を反映させることができるよう適切な措置を講じなければならない。
4 町長は、男女共同参画計画を策定したときは、遅滞なく、これを公表しなければならない。
5 前3項の規定は、男女共同参画計画の変更について準用する。
(施策の策定に当たっての配慮)
第9条 町は、男女共同参画に影響を及ぼすと認められる施策を策定し、及び実施するに当たっては、男女共同参画の推進に配慮しなければならない。
(年次報告)
第10条 町長は、男女共同参画の推進に関する施策の実施状況について、年次報告書を作成し、これを公表しなければならない。
(調査研究)
第11条 町は、男女共同参画の推進に関する施策の策定に必要な調査研究を行うものとする。
(広報及び啓発)
第12条 町は、情報提供、広報活動等を通じて、社会のあらゆる分野において、男女共同参画の推進に関する町民等の理解を深めるよう適切な広報及び啓発を行うものとする。
(推進体制の整備及び財政上の措置)
第13条 町は、男女共同参画の推進に関する施策を総合的に企画し、調整し、及び実施するための推進体制を整備するものとする。
2 町は、男女共同参画の推進に関する施策を実施するため、必要な財政上の措置を講ずるよう努めるものとする。
(雇用の分野における男女共同参画の推進)
第14条 町は、事業者に対し、雇用の分野において男女共同参画が推進されるように、情報提供その他の必要な支援を行うよう努めるものとする。
2 町は、必要があると認めるときは、事業者に対し、男女共同参画の実態を把握するための調査について、協力を求めることができる。
(苦情の申出)
第15条 町民等は、町が行う男女共同参画の推進に関する施策に対する苦情等があるとき又は男女共同参画の推進を阻害すると認められるものがあるときは、その旨を町長に申し出ることができる。
2 町長は、前項の規定による申出を受ける相談窓口を設置するとともに、当該申出を受けたときは、関係機関と連携して適切な措置を講ずるよう努めるものとする。
(設置)
第16条 男女共同参画の推進について、町長の諮問に応じ、次に掲げる事項について調査審議するため、余市町男女共同参画審議会(以下「審議会」という。)を置く。
(1) 基本計画に関する事項
(2) 男女共同参画の推進に関する施策の実施状況
(3) その他男女共同参画の推進に関する事項
(組織)
第17条 審議会は、10人以内をもって組織し、次に掲げる者のうちから、町長が委嘱する。
(1) 学識経験を有する者
(2) 男女共同参画を推進している事業者や団体等から推薦があった者
(3) 公募による者
(4) 前各号に掲げる者のほか、町長が必要と認めた者
2 男女のいずれか一方の委員の数は、委員の総数の10分の4未満であってはならない。
3 委員の任期は、3年とし、委員が欠けた場合における補欠の委員の任期は、前任者の残任期間とする。ただし、再任を妨げない。
(会長及び副会長)
第18条 審議会に会長及び副会長を置く。
2 会長及び副会長は、委員が互選する。
3 会長は審議会を代表し、会務を総理する。
4 副会長は会長を補佐し、会長に事故あるときは、その職務を代理する。
(会議)
第19条 審議会の会議は、会長が召集する。
2 会長は、審議会の会議の議長となる。
3 審議会は、委員の過半数が出席しなければ、会議を開くことができない。
4 審議会の議事は、出席した審議会の委員の過半数で決し、可否同数のときは、議長の決するところによる。
5 審議会は、必要があると認めるときは、審議会の会議に委員以外のものの出席を求め、その意見を聴き、または当該関係者に対し必要な資料の提出を求めることができる。
(審議会における男女共同参画の推進)
第20条 町は、町が設置する審議会等の委員の委嘱等を行う場合には、男女の委員の数の均衡を図るよう努めなければならない。
(委任)
第21条 この条例の施行に関し必要な事項は、町長が別に定める。
附則
(施行期日)
1 この条例は、平成19年4月1日から施行する。
(余市町特別職の職員で非常勤のものの報酬及び費用弁償に関する条例の一部改正)
2 余市町特別職の職員で非常勤のものの報酬及び費用弁償に関する条例(昭和35年余市町条例第2号)の一部を次のように改正する。
別表政治倫理審査会の項の次に次のように加える。
男女共同参画審議会 | 委員 | 日額 4,000円 | 1,500円 | 同上 |