○余市町情報公開条例
平成12年12月18日
条例第31号
目次
第1章 総則(第1条―第4条)
第2章 情報の公開(第5条―第16条)
第3章 情報公開審査会(第16条の2―第24条)
第4章 補則(第25条―第31条)
附則
第1章 総則
(目的)
第1条 この条例は、町の機関が保有する情報の公開を求める権利を明らかにし、情報提供の推進に関し必要な事項を定めることにより、町民の町政への参加を推進するとともに、町民の知る権利を保障し、町が説明責任を全うすることにより、町民と町との信頼関係を深め、開かれた町政実現と町政の発展に寄与することを目的とする。
(1) 文書等 実施機関の職員が職務上作成し、又は取得した文書、図画及び写真並びに電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られた記録をいう。以下同じ。)であって、当該実施機関の職員が組織的に用いるものとして、当該実施機関が保有しているものをいう。ただし、官報、白書、新聞、雑誌、書籍その他不特定多数の者に販売することを目的として発行されるものを除く。
(2) 文書等の公開 実施機関が、この条例の規定により、文書等を閲覧若しくは視聴に供し、又はその写しを交付することをいう。
(3) 実施機関 町長、議会、教育委員会、選挙管理委員会、監査委員、農業委員会、固定資産評価審査委員会及び水道事業管理者をいう。
(実施機関の責務)
第3条 実施機関は、この条例の解釈及び運用に当たっては、文書等の公開を請求するものの権利を尊重するとともに、個人に関する情報がみだりに公にされることがないよう最大限の配慮をしなければならない。
2 実施機関は、この条例の目的を達成するため、文書等の公開と併せて請求者が必要とする情報を積極的に提供しなければならない。
第2章 情報の公開
(請求権者)
第5条 何人も、この条例の定めるところにより、実施機関の長に対し文書等の公開を請求することができる。
(公開の請求方法)
第6条 文書等の公開を請求しようとするものは、次の各号に掲げる事項を記載した文書等公開請求書(以下「請求書」という。)を実施機関の長に提出しなければならない。
(1) 氏名及び住所(法人その他の団体にあっては、名称、事務所又は事業所の所在地及び代表者の氏名)
(2) 文書等の公開の請求(以下「公開請求」という。)をしようとする情報を特定するために必要な事項
(3) 前2号に掲げるもののほか、実施機関の長が定める事項
2 実施機関の長は、請求書に形式上の不備があると認めるときは、公開請求をしたもの(以下「請求者」という。)に対し、相当の期間を定めて、その補正を求めることができる。この場合において、実施機関の長は、請求者に対し、補正の参考となる情報を提供するよう努めなければならない。
2 実施機関の長は、前項に規定する期間内に決定を行うことのできない正当な理由があるときは、その期限を15日間を限度として延長することができる。この場合において、実施機関の長は、速やかに延長の理由を請求者に書面により通知しなければならない。
3 実施機関の長は、第1項に規定する決定を行ったときは、速やかに当該決定の内容を書面により請求者に通知しなければならない。
(第三者に対する意見の聴取等)
第8条 実施機関の長は、公開請求に係る文書等に町及び請求者以外の者(以下「第三者」という。)に関する情報が記録されている場合であって、公開決定するにあたり必要があると認めるときは、当該情報に係る第三者の意見を聴くことができる。
2 実施機関の長は、前項の規定により第三者の意見を聴いた場合において、文書等の公開を決定したときは、速やかにその旨を当該第三者に通知するものとする。
(公開の実施)
第9条 実施機関の長は、第7条第1項の規定により文書等の公開をする旨の決定を行ったときは、請求者に対し、速やかに文書等の公開をしなければならない。
2 実施機関の長は、公開請求に係る文書等を公開することにより、当該情報を記録した文書等を汚損又は破損させるおそれがあるとき、部分公開を行うときその他合理的な理由があるときは、当該文書等を複写又は当該文書等から出力若しくは採録したものにより、文書等の公開を実施するものとする。
3 文書等の公開は、実施機関の長が第7条第3項の規定による通知の際に指定する日時及び場所で行うものとする。
(公開しないことができる情報)
第10条 実施機関の長は、公開請求に係る文書等に次の各号に掲げる情報のいずれかが記録されているときは、当該情報の公開をしないことができる。
(1) 法人その他の団体(国、独立行政法人等(独立行政法人等の保有する情報の公開に関する法律(平成13年法律第140号)第2条第1項に規定する独立行政法人等をいう。以下同じ。)、地方公共団体及び地方独立行政法人(地方独立行政法人法(平成15年法律第118号)第2条第1項に規定する地方独立行政法人をいう。以下同じ。)(以下「国等」という。)を除く。)又は事業を営む個人(以下「法人等」という。)に関する情報のうち、公開することにより、当該法人等の競争上の地位、事業運営上の地位、財産権その他正当な利益を侵害すると認めるに相当の理由のあるもの又は公開しないことを条件に法人等から提供された情報で、公開しないことが必要かつ合理的であると認めるに相当の理由のある情報。ただし、次に掲げる情報を除く。
ア 人の生命、身体、健康及び生活を保護するため必要とされる情報
イ 法人等の違法又は不当な事業活動から町民を守るために必要とされる情報
(2) 公開しないことを条件に任意に個人から提供された情報で、当該個人の承諾を得ないで公開することにより、当該個人の協力を得ることが著しく困難になると認められる情報
(3) 公開することにより、人の生命、身体及び財産の保護、犯罪の予防その他公共の安全と秩序維持に支障が生じる情報
(4) 公開することにより、町政の公平又は円滑な執行に著しい支障を及ぼすおそれのある次に掲げる情報
ア 町の機関内部又は機関相互における審議、検討又は調査等に関する情報であって、公開することにより、当該審議、検討又は調査等に著しい支障がある情報
イ 町の行う事務事業に関する情報であって、当該事務事業の性質上、公開することにより、当該事務事業の実施の目的を失わせ、又は当該事務事業の円滑な実施に著しい支障がある情報
ウ 町と国等との間における照会、検討、協議等に関する情報であって、公開することにより、その協力関係に著しい支障がある情報
(公開してはならない情報)
第11条 実施機関の長は、公開請求に係る文書等に次の各号に掲げる情報のいずれかが記録されているときは、当該情報の公開をしてはならない。
(1) 個人の氏名、思想、宗教、身体的特徴、健康状態、家族構成、学歴、職歴、住所、所属団体、財産、所得等に関する情報(事業を営む個人の当該事業に関する情報を除く。)で、特定の個人を識別することができるもの(他の情報と照合することにより、特定の個人を識別することができることとなるものを含む。)のうち、一般に知られたくないと望むことが正当であると認められる情報又は特定の個人は識別することはできないが、公開することにより、個人の権利利益を害するおそれのある情報。ただし、次に掲げる情報を除く。
ア 公表することを目的として作成し、又は取得した情報
イ 法令又は条例(以下「法令等」という。)の規定に基づく許可、免許等に関する情報で、公開することが公益上必要と認められるもの
ウ 当該個人が公務員等(国家公務員法(昭和22年法律第120号)第2条第1項に規定する国家公務員(独立行政法人通則法(平成11年法律第103号)第2条第4項に規定する行政執行法人の役員及び職員を除く。)、独立行政法人等の役員及び職員、地方公務員法(昭和25年法律第261号)第2条に規定する地方公務員並びに地方独立行政法人の役員及び職員をいう。)である場合において、当該情報がその職務の遂行に係る情報であるときは、当該情報のうち、当該公務員等の職及び当該職務遂行の内容に係る部分
(2) 法令等の規定により、公開することができない明文の規定又は当該法令等の規定の解釈上その旨が明らかである情報
(文書等の部分公開)
第12条 実施機関の長は、公開請求された文書等に、次の各号に掲げる情報が併せて記録されている場合において、その部分を容易に分離することができ、かつ、当該分離によって公開請求の趣旨が損なわれないと認めるときは、その部分を除いて、当該文書等の公開を行わなければならない。
(1) 第10条各号のいずれかに該当し、そのことを理由として公開されない情報
(2) 前条各号のいずれかに該当する情報
(文書等の存否に関する情報の取扱い)
第13条 実施機関の長は、公開請求に係る文書等が存在しているかどうかを答えるだけで、特定の個人の生命、身体、財産又は名誉が侵害されると認められる場合に限り、当該文書等の存否を明らかにしないことができる。
2 実施機関の長は、前項の規定により文書等の存否を明らかにしないときは、請求書を受理した日から起算して15日以内に、その旨を決定しなければならない。
(文書等の不存在の通知)
第14条 実施機関の長は、公開請求に係る文書等が存在しないときは、請求書を受理した日から起算して15日以内に、当該文書等が存在しない旨を書面により通知するものとする。
(費用の負担)
第15条 この条例の規定による文書等に係る閲覧又は視聴についての手数料は、無料とする。
2 この条例の規定により請求者が求めた文書等の写しの交付に要する費用又は送付を求めたときの費用は、請求者の負担とする。
(既に公開された文書等に係る公開請求の特例)
第15条の2 既に公開された文書等に係る公開請求については、第6条の規定にかかわらず、請求書の提出を省略することができる。
5 前各項の規定は、既に公開された文書等について、請求者の公開請求に関する手続的権利に制限を課したものと解釈してはならない。
(1) 審査請求が不適法であり、却下する場合
(2) 裁決で、審査請求の全部を認容し、当該審査請求に係る文書等の全部を公開することとする場合(当該文書等の公開について、反対意見書が提出されている場合及び行政不服審査法第9条第3項において読み替えて適用する同法第30条第2項に規定する意見書(以下「参加人意見書」という。)において反対する旨の意見が述べられている場合を除く。)
3 前項の規定による諮問は、行政不服審査法第9条第3項において読み替えて適用する同法第29条第2項の弁明書及び同法第30条第1項に規定する反論書並びに参加人意見書の写し(反論書及び参加人意見書の写しにあっては、提出があった場合に限る。)を添えて行われなければならない。
4 実施機関の長は、前項の規定による諮問に対する答申を受けたときは、これを尊重して、速やかに裁決を行わなければならない。
第3章 情報公開審査会
(審理員の指名の適用除外)
第16条の2 公開等の決定又は公開請求に係る不作為に係る審査請求については、行政不服審査法第9条第1項本文の規定は、適用しない。
(設置)
第17条 第16条第2項の規定による諮問に応じて審査をするため、余市町情報公開審査会(以下「審査会」という。)を設置する。
2 審査会は、前項に規定する審査のほか、情報公開制度に関する事項について、実施機関の長に意見を申し出ることができる。
(組織)
第18条 審査会は、委員5人で組織する。
2 委員は、文書等の公開に関し識見を有する者のうちから、町長が委嘱する。
3 委員の任期は3年とし、補欠の委員の任期は前任者の残任期間とする。ただし、再任を妨げない。
(会長及び副会長)
第19条 審査会に会長及び副会長を置く。
2 会長及び副会長は、委員が互選する。
3 会長は審査会を代表し、会務を総理する。
4 副会長は会長を補佐し、会長に事故あるときは、その職務を代理する。
(会議)
第20条 審査会の会議は、会長が招集する。
2 審査会は、委員の過半数が出席しなければ会議を開くことができない。
3 会議の議事は、出席した委員の過半数で決し、可否同数のときは会長の決するところによる。
(調査権限)
第21条 審査会は、必要があると認めるときは、実施機関の長に対し、公開請求に係る文書等の提示を求めることができる。この場合においては、何人も、審査会に対し、その提示された文書等の公開を請求することができない。
2 実施機関の長は、審査会から前項の規定による求めがあったときは、これを拒んではならない。
(提出資料の閲覧)
第21条の2 審査請求人及び参加人は、実施機関に対し、実施機関が審査会に提出した意見書又は資料の閲覧若しくは当該意見書又は資料の写しの交付を求めることができる。この場合において、実施機関は、第三者の利益を害するおそれがあると認めるとき、その他正当な理由があるときでなければ、その閲覧又は交付を拒むことができない。
2 実施機関は、前項の規定による閲覧について、その日時及び場所を指定することができる。
(諮問に対する答申)
第22条 審査会は、実施機関の長に対し、書面により第16条の規定による諮問があった日から60日以内に答申するよう努めなければならない。
(1) 当該審査請求に対して実施機関の長がなすべき裁決及びその理由
(2) 答申の内容について少数意見があるときは当該少数意見
(秘密の保持)
第23条 委員は、職務上知り得た秘密を漏らしてはならない。その職を退いた後も同様とする。
(会長への委任)
第24条 この章に定めるもののほか、審査会の運営に関し必要な事項は、会長が審査会に諮って定める。
第4章 補則
(文書等の管理等)
第25条 実施機関は、この条例に定める情報公開制度の的確な運用を図るよう、文書等の分類、保存、廃棄等、文書等の管理を適切に行うとともに、文書等の検索に必要な資料を作成するものとする。
(情報の提供)
第26条 実施機関は、町民が必要とする情報の把握に努め、町政に対する正確で分かりやすい情報を町民が容易に利用できるよう、情報提供施策の拡充に努めるものとする。
(町長の調整)
第27条 町長は、他の実施機関に対し、文書等の公開に関し、報告を求め、又は助言をすることができる。
(出資法人等の責務)
第28条 町が出資する法人及び団体は、その管理する情報については、町民の必要とする情報の提供に努めるものとする。
(適用除外)
第29条 この条例の規定は、他の法令等の規定により、文書等を閲覧若しくは縦覧又は謄本、抄本その他写しの交付を受けることができる場合における当該文書等の閲覧及び写しの交付については、適用しない。
(運用状況の公表)
第30条 町長は、毎年度終了後3月以内に、各実施機関におけるこの条例の運用状況について取りまとめ、議会に報告するとともに、公表するものとする。
附則
(施行期日)
1 この条例は、公布の日から起算して7月を超えない範囲内において規則で定める日から施行する。
(平成13年3月規則第1号で、同13年7月1日から施行)
附則(平成17年8月26日条例第23号)
この条例は、公布の日から起算して3月を超えない範囲内において規則で定める日から施行する。
(平成17年11月規則第25号で、同17年11月15日から施行)
附則(平成27年3月23日条例第6号)
この条例は、平成27年4月1日から施行する。
附則(平成27年9月18日条例第31号抄)
この条例は、平成27年10月5日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
(1) 第1条中余市町個人情報保護条例第2条第3号の改正規定及び第3条の規定 公布の日
附則(平成28年3月8日条例第6号抄)
(施行期日)
1 この条例は、平成28年4月1日から施行する。
(余市町情報公開条例の一部改正に伴う経過措置)
2 第2条の規定による改正後の余市町情報公開条例第16条及び第3章の規定は、この条例の施行の日(以下「施行日」という。)以後にされる余市町情報公開条例第16条第1項に規定する公開等の決定又は通知(以下「公開等の決定」という。)又は同条例第6条第1項に規定する公開の請求(以下「公開請求」という。)に係る不作為に係る審査請求について適用し、施行日前にされた公開等の決定又は公開請求に係る不作為に係る不服申立てについては、なお従前の例による。